第5回日本万華鏡大賞公募展に集まった万華鏡は、多種多様、千変万化でユニークな個性を主張している。今回から作品の大きさを、ゆうパックの中箱限定から大型の箱までとしたため、大小の変化もあれば、たくさんの鏡を組んだものなどミラー・システムの多様性、堅い素材もあれば、柔らかい素材で作ったものもある。オブジェクトの動かし方も、磁石を使ったり、息を吹きかけて動かすものまであれば、一人で見るのではなく皆で見られる幻燈方式あり、アイホール(覗き窓)がたくさんあるものや、アイホールがどこにあるのか、わざと分かりにくくしたものまで、アイデア、楽しさ、美しさにあふれている。
出品者も最年少記録をぬりかえ、4歳の児玉瑞季ちゃん(見事に佳作入選しました!)から、グループ参加で佳作に入った日本万華鏡倶楽部北陸支部には70歳台の方もいる。
栃木県・作新学院の高校生諸君、東京都・女子美術大学付属中学・高校の皆さんの自由闇達なパワーは、万華鏡はどんなものにも作り得るのだ!と主張している。
筒を覗くことができない赤ちゃんのために、どうしたら万華鏡を楽しめるだろうか、と考えてくれたお母さんやご夫婦。万華鏡を楽しむ人たちは、こんなにも素敵な人たちなのだ、と選考委員一同は大感激でした。
戦争、台風、地震と嫌なことばかり続き、さらに2004年は大量生産品(安いことは嬉しいのですが、鏡の組み方の出来、不出来がばらばら)のコピー万華鏡が街にあふれ、追い討ちをかけるように、日本万華鏡大賞をマネして公募展もどきが開かれたり、挙げ句の果ては、日本万華鏡作家の作品をそっくりコピーしたものを、通販雑誌を通じて売りに出す厚顔無恥までが出没する有様。そんなもやもやを吹き飛ばしてくれたのが、今回の応募作品でした。
グランプリの切敷章さんの「ガラスたちのディスコ」は、磁石によってガラスたちが実に楽しそうに踊っています。磁石同志が時にくっついてしまうのが難点です、と語っていますが、くっついたり離れたり、それも人生模様とすれば、さらに楽しめます。
アイデア賞の小林朝美さんの「美球螺旋筒」は、筒を何色ものビニールテープで巻き、筒の中を無色透明のビー玉を動かすことによって反射を楽しむという、逆転の発想が受賞のポイントでした。ヴイジュアル賞の尾崎百々花さんは大賞展の常連で、準グランプリ、アイデア賞を受賞しています。今回は「五月五日」で端午の節句が様々に楽しめ、風車や鯉のぼりの映像は見事というほかなく、その下で犬までが遊んでいる映像のおまけ付きです。第5回展から北陸電カワンダーラボ賞、京都万華鏡ミュージアム姉小路館賞、美瑛万華鏡館賞が新設されました。と同時に日本万華鏡倶楽部から出していた関西、北海道、中国四国、北陸の各支部賞は廃止します。8月に亡くなられた誠志堂マイヤーズ・オーナーの今田冨士雄さんを祈念し「今田冨士雄賞」を設け、第6回展からは「今田冨江賞」とひとつになり「今田賞」として、若い才能を発掘していきます。
第5回日本万華鏡大賞公募展の応募作品は93点。若干減少したのが残念な点です。
受賞作品14点、佳作20点、エントリー作品59点が、大阪市立科学館まで展示され、その後は佳作以上が全国を巡回します。大賞展を開催してみたいと思う全国の科学館、美術館はご連絡ください。多くの方に素晴らしい万華鏡を見てもらいたいと考えています。 |